新型コロナ禍の子どものストレスについて

子どものストレス反応

 外出時にマスクをし、遠足や運動会が中止になり、遠方の親戚に会えず、友達とも遊べないような新型コロナ禍の状況は、子どもにとって大きなストレスです。子どもが強いストレスを感じると下記のような症状・行動を示すことがあります。心の防衛機能によるものですが、放っておくと日常生活に支障が出てくるなど、悪化する可能性があります。


子どものストレス反応の特徴

体の症状
  • 頭が痛い
  • お腹が痛い
  • 眠れない
行動の変化
  • 落ち着きがない
  • いつもよりよくしゃべる
  • 食欲が増す/減る
  • しがみついて離れない
  • よく泣く
  • 夜尿・おもらしをする
  • わがままになる
  • 遊びの中で繰り返し今起こっていることを再現する

大人の手助けが必要

 子どもはつらい気持ちを表現したり、ストレスを発散したりすることが上手にできません。周りの大人が早く気づいて、対応する必要があります。子ども自身が正しい情報を知って理解し、自分でストレスに対処できるように、援助してあげましょう。

ストレス反応を進行させないために

子どもにもわかりやすく説明する

 正しい情報を、年齢にあった言葉でわかりやすく説明する。目に見える形(イラストや動画)で示すと伝わりやすい。誰かのせいでなく、目に見えないウイルスのせいであることを伝える。子どもがさまざまな映像を自分のことと捉えて不安にならないよう、うわさやデマに惑わされないよう、留意する。自分でできる感染対策について、子どもと一緒に考える。大人が決めつけないでください。

子どもの気持ちに耳を傾ける

 どんな気持ちでも伝えて良いことを伝える。どんな気持ちも否定せず、「そうだったんだね、話してくれてありがとう」などと気持ちを受け止め、共感し、労う。

 つらくても子どもなりにがんばっていることを認め、言葉や表情などしっかり褒める。

親子でできるストレス対処法を取り入れる

  • ラジオ体操、ストレッチ、ヨガなどで、一緒に体を動かす。
  • 一緒に音楽を聴く。
  • ゲーム、粘土、お絵かきなどで一緒に遊ぶ。
  • 一緒に料理をする。
  • 一緒に日記を書く。

 適している方法は人により異なるので、それぞれに合った方法を大切にする。また、子どもと接する時間と、親だけの時間を区別してメリハリをつける。

日本小児科医会ニュース「健康プラザ」

NO.547新型コロナ禍の子どものストレスより改訂

 

 鈴木小児科医院